脱毛の毛周期とそれぞれの脱毛法によって抜ける毛のメカニズム

フラッシュ脱毛・レーザー脱毛・ニードル脱毛。それぞれどのようにしてムダ毛を脱毛しているのでしょうか?脱毛するなら、発毛や脱毛のしくみは知っておきたいところ。
方法ごとの脱毛のしくみと、脱毛に密接に関係している毛の生え変わりのメカニズムを解説します。
目次でパッと理解する
毛は生え変わりを繰り返している!
毛周期のしくみ・発毛の構造
人間の体毛は目に見えている部分だけではなく、皮膚の下に埋もれている部分もあります。見えている部分を毛幹、皮下に埋もれている部分を毛根と呼びます。
毛根部は、毛を発毛させるための組織や細胞で構成されています。
毛根部にある組織のひとつ毛乳頭に運ばれた発毛に必要な栄養や酸素は、毛母細胞へと受け渡されます。この毛母細胞が酸素と栄養によって細胞分裂を繰り返すことで、発毛するのです。
したがって、毛根の毛母細胞がある限り、毛抜きなどで抜いたり、シェービングしたりというセルフケアをしても毛は再生し続けます。
毛が再生しないためには、毛母細胞の活動を破壊、または弱らせる必要があるのですね。
1日当たりの毛が生えるスピードの目安
頭髪 | ワキ | 腕 | 足 | VIO | 顔 |
---|---|---|---|---|---|
0.3mm | 0.3mm | 0.2mm | 0.2mm | 0.3mm | 0.4mm |
毛の生え変わりのしくみ「毛周期」とは
発毛には「毛周期」と呼ばれる発育周期があります。毛周期は、「成長期(初期)」「成長期(後期)」「退行期」「休止期」の4段階。
全ての体毛は、このサイクルによって生え変わりを繰り返しているのです。
普段目に見えている体毛は、実は全体毛の1/3程度。残りの1/2はどこにあるのかというと、皮下で眠っていたり、抜け落ちて次の発毛の準備をしたりしています。
休止期は表面上生えている毛がない状態なので、いずれの脱毛法でも施術することができません。
さらにフラッシュ脱毛・レーザー脱毛では、成長期の毛以外に効果を出すことが不可能。
脱毛するなら、毛周期について正しく理解することが大切です。
成長期(初期)
皮下で毛母細胞の分裂がはじまり、発毛しはじめた状態。
成長期(後期)
毛母細胞の細胞分裂が活発になり、栄養を吸収しながら毛が急成長する時期。皮膚表面から出て毛が伸びていきます。
退行期
毛母細胞の活動が終了し、成長を終えた毛が抜け落ちるまでの時期。毛乳頭の繋がりが弱くなり毛が抜けやすくなっています。
休止期
毛が抜け落ちて、次の毛周期がスタートするまでの活動を休止している時期。表面上は毛が生えていない状態でも、毛根部は生きています。
部位別毛周期の目安
毛周期のサイクルは一般的に2~3ヶ月といわれていますが、実際は部位によってバラつきがあります。
頭髪 | ワキ | 腕 | 足 | VIO | 顔 | |
---|---|---|---|---|---|---|
成長期 | 2~6年 | 3~4ヶ月 | 3~4ヶ月 | 4~5ヶ月 | 1~2年 | 1~2ヶ月 |
休止期 | 3~4ヶ月 | 3~4ヶ月 | 3~4ヶ月 | 4~5ヶ月 | 1~1年半 | 1~2ヶ月 |
各脱毛法のしくみ
脱毛のしくみを理解するポイントは毛周期
脱毛方法は、大きく分けてフラッシュ脱毛・レーザー脱毛・ニードル脱毛の3択です。
どの脱毛法も毛周期のしくみに合わせて脱毛しているので、施術を受ける時期も毛周期に合わせて2.3ヶ月ごと。
ただ脱毛法によって、どの時期の毛に脱毛効果があるかは微妙に違ってきます。
焦って毛周期をムシした頻度で通っても、費用がかさむばかりで脱毛効果は高くはならないんだ。
以下で見る、それぞれの方法に合わせた周期で通おうね。
ニードル脱毛で毛がぬけるしくみ
レーザー脱毛やフラッシュ脱毛が誕生する前には、ニードルが脱毛法の主流。
痛みが激しい、時間も費用も多大にかかるなどデメリットも大きいため、最近では取り扱っているクリニックやサロンがめっきり少なくなっている脱毛法です。名前のとおり、毛穴のひとつひとつに細い針を刺し、刺した針に電流を流すことで毛根部にある発毛組織を破壊します。
毛穴を確実にターゲットにする必要があるので、間違いなく毛穴に刺入できるように毛を1cm程度伸ばしておきます。このため、成長期、退行期の状態でも施術できますが、休止期には施術できません。
刺入後は、使用する技法によって1秒~15秒ほど針に電流を流します。電流の熱処理で発毛組織にダメージを与え、1箇所の毛穴が終われば次の毛穴へ。この作業を繰り返すため、施術には時間がかかります。
熱処理した毛穴から再び毛が生えてくることがほとんどないので、確実性が高く、効果が永久に続く唯一の脱毛法です。
ニードル脱毛についてもっと詳しく知りたい方は、こちらで詳しく知ることができますので参考にしてみてくださいね⇒「ニードル脱毛の仕組みって?」気になる痛み・回数や料金も徹底解説
レーザー脱毛で毛がぬけるしくみ
波長の長さによって特定の色にのみ反応するというレーザー光線の特徴を利用。メラニン色素にのみ反応するレーザー光線を限局的に照射することで、発毛組織を徐々に破壊していくのがレーザー脱毛のしくみです。
ひとえにレーザー脱毛といっても、使用する波長の違いによって数種類のレーザー脱毛法があります。一般的に使用頻度が高いのは、アレキサンドライトレーザー脱毛とダイオードレーザー脱毛。
毛周期のうち、成長期の毛のみに効果を与えることが出来るので、毛周期のサイクルに合わせて2~4ヶ月おきに施術して、徐々に発毛組織を破壊していきます。
照射時には、剃毛した脱毛部位を、冷却しながら1~1.5cm程度の限局的な範囲ごとに処理していきます。照射された毛乳頭や毛母細胞はダメージを受けるので、照射後、徐々に毛と毛乳頭の接合が弱くなっていき、2週間程度でムダ毛が抜け落ちます。
完全に毛根部が破壊されていない場合や成長期ではなかった毛は、施術後、再び生えてくるので、何度も脱毛回数を重ねる脱毛法です。
レーザー脱毛についてもっと詳しく知りたい方は、こちらで詳しく知ることができますので参考にしてみてくださいね⇒「レーザー脱毛の仕組み」誰でも施術可能?基礎知識のまとめ
フラッシュ脱毛で毛がぬけるしくみ
エステサロン、脱毛サロンで主に利用されているフラッシュ脱毛は、美容行為に該当。
医療行為ができるクリニック、医療機関以外では発毛組織を完全に”破壊する”行為は禁じられています。といっても、フラッシュ脱毛の原理そのものは、レーザー脱毛とそっくり。
光の熱エネルギーを照射することによって、毛根にある発毛組織にダメージを与えます。
フラッシュライトもレーザーと同じく、毛のメラニン色素に吸収させる光。成長期の毛のみに効果を与えるので、レーザー同様、成長期に合わせて2~4ヶ月に1度の施術を繰り返し、毛の再生力を奪っていきます。
レーザー脱毛との違いは、波長がまばらな光を放射的に照射すること。このため、痛みは軽く、1回の施術時間における出力値は弱いので、脱毛効果を得られるまでの施術回数や期間が多く必要です。
施術後に照射された成長期の毛が次第に弱くなり、2週間程度で抜け落ちます。
1度では全ての毛に照射できず完全に発毛組織を破壊することは不可能なので、しばらくすると残っている毛根からまた毛が生えてきますが、再生しても徐々に細く弱く、そして少なくなっていきます。
フラッシュ脱毛でも死滅した毛母細胞が復活することはありません。つまり、回数を重ねて全てのムダ毛の脱毛が完了すると、不再生の状態になるのです。
フラッシュ脱毛についてもっと詳しく知りたい方は、こちらで詳しく知ることができますので参考にしてみてくださいね⇒「フラッシュ脱毛って何?効果や回数は?」基礎知識のまとめ
脱毛はいずれの方法も発毛組織にダメージを与える
ニードル・レーザー・フラッシュ脱毛はいずれも毛穴の奥にある発毛組織にダメージを与えることで毛を再生不可能にさせます。
ニードル脱毛の場合は1度で再生機能を破壊させ、レーザー・フラッシュは徐々にダメージを与えていくため、毛がぬける時間は異なりますが同じ作用で脱毛しているのです。
この発毛細胞・毛根細胞にダメージを与えるという方法を不安に感じる方もいるかもしれませんが、体に対し大きな影響は今のところないとされています。
肌への影響が心配な方はこちらも参考にしてみてくださいね。⇒脱毛による肌トラブルは誰にでおこる可能性あり!対策方法をチェック
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