2000年の時を経て脱毛のトレンドは再びやってくるか?男性の“毛に対する意識”を調査してみた

2000年の時を経て脱毛のトレンドは再びやってくるか?男性の“毛に対する意識”を調査してみた

こんにちは! ライターのさえりです。

突然ですが……、

 

男性の皆さん、脱毛していますか?

 

最近、中性的な男性って増えていませんか? 細いボディライン、中性的な顔立ち、体毛も薄く、全体的になんだか透明感がある……。そんな男性をよくテレビでも見かけるようになりました。

先日も、20歳の男性モデルと飲みに行っているときに不意に腕をみると毛がほとんどなく……、聞いてみたところ「僕は体質的に薄いんでラッキーでしたね。やっぱり、毛は薄いほうが綺麗でいいじゃないですか。濃かったら脱毛してますね〜」なんて力説され、ライターとは思えない語彙力ですが「若い子すげぇ」と感心してしまいました。

女性は自身の体毛に意識をくばっている人が大半ですが、男性も「毛」を意識してケアなどしているのでしょうか……? アンケートをとってみました。

 

 

この結果をみる限り、「毛は薄い方がいい」と答えるひとが過半数。でも、どうやら「脱毛」まで踏みきっているひとはすごく少ないみたい……。

 

理由を聞くと、「そこまでするのは勇気がいる」「気になって調べているけど……」「脱毛に行くのは恥ずかしい」など、他人の目を気にしたようなコメントも多く集まりました。

わたし自身は脱毛男子にも抵抗はありませんし、むしろ「美意識が高くて素敵」と思ったのですが、たしかにこういった風潮に対して、「近頃の若い子は」「昔はこんなことなかったのに」「女々しい」などという反対意見も時に目にします。

 

近頃の若い子は? 昔はこんなことなかったのに?

 

いやいや、今からさかのぼること2000年……

 

 

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古代ローマ帝国では、

 

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脱毛は当たり前だったんですよ!!!!!!

 

古代ローマ帝国の男性の体毛はツルツルだった

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じつは古代ローマ人男性は「体毛をツルツルにしていた」というのをご存知でしょうか?

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紀元前753年から1453年まで存在していたローマ帝国。
特に、紀元前1世紀から紀元後2世紀までのローマは最盛期と言われる時代でした。

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有名なこの「コロッセオ」も、最盛期ならではの盛り上がりでした。

5万人もの人を収容できるこの施設では、猛獣と人の殺し合いなどが毎日のように行われており、コロッセオが建設されてからたった100日の間で、3000人の剣闘士が亡くなったという話も残っているほど……。

これが道徳的にどうなのか、といった話は置いておいて、それほどまでにローマという国に勢いがあったことがうかがえます。

 

お風呂文化 「体毛を抜くときにあがる呻き声がうるさい」

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= ▲ローマ南部に位置する、カラカラ大浴場=

漫画『テルマエ・ロマエ』で見たことがあるかもしれませんが、ローマ人は公衆浴場が大好きでした。
とは言っても、今でいう「温泉」のような施設ではなく、ジムのような場所で運動したり、ゲームをしたり、みんなで話をしたり……、現代でいうカルチャーセンターのようなものだったといいます。発展しすぎ。

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カラカラ帝が建てた「カラカラ大浴場」も、浴場だけでなく図書館や劇場なども兼ねていたと言われるほど大きなものでした。
今より「裸のお付き合い」が深かったのかもしれません。

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このような公衆浴場で、ローマ人は「体毛」を処理することを欠かしませんでした。

公衆浴場に通っていた政治家・哲学者・詩人のセネカは、「体毛を抜くときにあがる呻き声がうるさい」という記述も残しているほど。どれだけ真剣に抜いていたんでしょうね……。

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毛抜きやワックスなどが主流だったそうですが、当時は階級制度。

毛を抜くのは、奴隷の仕事でした。

(奴隷といってもわたしたちのイメージする「鎖でつながれて無理やり働かされる」ような奴隷はほとんどいませんでした。
一定期間働くと自由になれるという仕組みや、解放奴隷の夫婦から産まれた子どもはローマ市民権を得ることができるなど、帝政期には身分に関してもかなり寛容な制度が敷かれていたようです)

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奴隷たちが主人の毛を抜いていたために、「毛むくじゃら」の人をみれば、富をもっていない=奴隷だろう、と思われていたそう。
もしも万が一、古代ローマ帝国時代にタイムトリップしてしまうことがあれば、「どこの奴隷なの?」と聞かれてしまうかもしれません。

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さて、なぜそこまでして体毛を除去していたか、については諸説ありますが、メソポタミア文明以来、人間の体毛は「不浄」とされていたという説が現在では有力です。

ローマの場合、支配する直前まで繁栄していた「ギリシャ」との差別化を図るためだった、という説もあります。

 

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ギリシャ人はヒゲを生やして男らしさを強調する文化だったことから、彼らを征服して勢力を広げたローマ人は「体毛がもじゃもじゃなのは“野蛮”、近頃の男はツルツルよね」という感覚だったそう。
ギリシャ文化に憧れてヒゲを生やしたネロ帝は、市民からの評判が悪くなるほどでした。

また、「ヒゲがあると掴まれるなどして、戦闘に不利だ」という理由も相まって、ローマ人の体毛は髪の毛以外はほとんど無し、というのが通常だったようです。

 

性に関してかなり開放的だった!

古代ローマの中心部だった「フォロ・ロマーノ」
= ▲古代ローマの中心部だった「フォロ・ロマーノ」 =

また、毛を抜いて美を追求する価値観には「恋愛」も大きく関わっていました。

ローマ時代は男性の同性愛も盛んで、男女問わず肉体を交わす人が多かったのだとか。もちろん男性同士の場合は、ウケとタチが存在していましたが、身分の低い方がウケになることが多かったそう(もちろん、身分が高くとも両方ともガンガンOK! GOGOレッツゴー! な人もいたそうです)。

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男性からも愛される身体であるには「美しさ」が一番。中性的で体毛の少ない男性は、男性からも女性からもモテる存在だったようですね。

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当時は性にかなり自由な時代で、男女の不倫などは頻繁に起こっていたといいます。不倫はダメ、乱交なんか論外となったのは、古代末期から広がったキリスト教の影響です。

男女関係なし! 不倫は日常茶飯事! となれば自由すぎてわたしたちには少し理解し難いですが、恋愛に重きをおく時期であればあるほど、身体の隅々まで気になってしまうもの。
美意識の高さはこうした「恋愛」事情にも関わっていたのかもしれません。

 

権力者たちも毛がないのは当然

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「ブルータス、お前もか」で知られる政治家、「ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)」も男色好きとして知られていました(彼はウケとタチ、どちらもイケたそうですよ)。

カエサルの養子である初代皇帝・アウグストゥスは美少年で、政治にもその美しさを利用したのではないか、という説もあるほど。美しさが政治的にも有利に働く時代でした。

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こちらが、そのアウグストゥス。世界史(社会科)の資料集で見たことがある方もいるかもしれません。

じつはわたしは彼を資料集で見つけてからというもの一目惚れをして、彼の写真を切り抜いて教科書に貼りまくるほどの大ファンでした(どうでもいい情報ですね)。

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美少年として知られていた「アウグストゥス」。
初代皇帝として、ローマの整備につとめたすごい人です。ローマに平和をもたらした人として、市民たちからも尊敬されていました。

彼の時代にローマ帝国は最盛期を迎えました。
彼自身はとても体が弱く病気がちだったようですが、病気知らずのアグリッパと組んで、アウグストゥスがリーダー兼ブレーンを、アグリッパが現場を指揮するプレイヤーとして活躍することで、地中海を統一させることにも成功しました。

彼らが最後に倒したのは、今でも絶世の美女といわれ、カエサルの子どもも産んでいたエジプト女王のクレオパトラでした。
病気がちで頭がキレる美しい皇帝、素敵。

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彼もまた美しさのために「毛の除去」を怠らなかったそうで、焼いたくるみを肌にすべらせてすね毛を柔らかくしていたと言われています。

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と、ここまで古代ローマ帝国の人々の「毛」にまつわる話をしてきましたが、そもそも脱毛の文化は古代ローマに始まったことではなく、なんと紀元前3500年ごろ現れた「シュメール人(メソポタミア文化を生んだ人)」たちも毛を抜いていたのだそう。

さらには、江戸時代の侍たちも脱毛をしていたことが今では明らかになっています(そのほうがモテたそうですよ)。

さらにさらに考古学的にいうと、なんと2万年前から鋭利な石器で毛を削り取るようにして除去していたことがわかっているそう!

衛生的な面も大きかったのでしょうが、なぜ2000年以上の時を経て、男性は脱毛をしなくなってしまったのでしょうか……。

 

むしろ脱毛してないなんて、時代遅れも甚だしいのでは!?!?!?!?

 

という危機感も湧き上がってきま……したよね?

 

現代のローマの人にインタビューしてみた

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古代ローマ帝国が繁栄を極めていた時代から2000年が経った今、ローマの人たちは自身の体毛についてどのように思っているのでしょうか。

現地の人にインタビューしてみました。

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「体毛で気になるところはありますか?」という質問に対し、「自分の体毛が大好き!!」と服をめくって見せてくれた彼。

一方で、「ヨーロッパでも中性的な男性が増え始めている」という情報も。

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「脱毛したいと思ったことがない」と回答したクリスチャン(27)は、「ではなぜ、2000年前は脱毛に力を入れていたと思うか?」の問いに、「当時のローマは“美”というカテゴリでも常に世界のトップでいる必要があったためではないか」と答えていました。やはり美を極めようと思えば脱毛へと意識が向くのは当たり前なのかも。

さらに、先ほどの彼と同じく「現在のイタリアでも、男女似ている服が増えてきているし、中性的な男性ブームはあと何年後に起こるかもしれない」という意見も。興味深い……。

 

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他にも何人かにお話を伺った結果がこちら。

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特に、「毛は濃い方がいい」には、日本と同じく「NO」の答えが過半数を超える結果に……! 脱毛したい人はほぼ半数に及びました。

日本人男性もローマ人男性も、「脱毛」への意識は高まってきているようです。
こういった人の数がさらに増えていけば、脱毛ブームが再び起こるかもしれません。

 

脱毛のトレンドは再びやってくるか?

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美を追求していた古代ローマで「脱毛が当たり前」だったとすれば、現在日本で脱毛してる系男子は「近頃の若い子は……」どころか、2000年前の良さを取り入れながら現代を生きるカリスマなのかもしれません。

時代は巡り巡って男性の脱毛ブームが再び訪れる日は近いかも! しかも脱毛を皮切りに男性が美を追い求めるような時代がくれば、女子としては「眼福です〜」という状態になるかも! と期待と興奮にまみれてワッホイワッホイしたのはわたしだけでしょうか……?

今まで「脱毛」なんて考えた事がなかった人も、気になっていたけれど踏み切れなかった人も、これを機会に自分の毛について考えてもらえたら嬉しいです(ちなみにわたしは人生でこんなに「毛」という字をタイプする日が来るとは思わなかったので、人生何があるかわかりませんね)。

ローマからは以上です。それでは〜!

 

<取材協力>
監修:小堀馨子(帝京科学大学准教授、株式会社グラティアマネジメント代表取締役)
カメラマン:吉田朱里
通訳:azco

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